天使の女の子のアバターを着て動画サイトYouTubeでゲーム実況などのアイドル活動をしているホロライブ所属のVTuber天音かなたが、HoneyWorks「可愛くてごめん」をカラオケで歌ってコーラスやコールまで入れてミックスしていく様を生で配信したもの。

いままでの企画だとすでに録音済みの歌を他のメンバーから受け取った上でミックスしていただけで、せいぜいハモり（コーラス）を生で入れているだけだったのだけど、今回はリードボーカルも自身により生で入れている。

かなたそ（天音かなた）はコメントを拾いながら作業を進めており、リスナーの希望も一部取り入れていた。リスナーはまるで音響監督になったかのような感覚が得られたんじゃないだろうか。これってアニメ好きにとっては夢のような話だと思う。結果、原曲では早見沙織がフラットに歌っていたのに対して、サビの最後の「ざまあ」がやたらねっとりした仕上がりになり、リスナーが笑いと歓喜のコメントを連打していた。

ハモりもフィーリングで入れているので、原曲とは違ってしまうことがあると自分で言ってはいるものの、今回は元々コーラスがなかったところにも独自に入れてる。原曲は原曲で意図してコーラスを入れていなかったんだろうけど、仕上がったコーラスはまるで元からそうだったかのようだった。

さらにここからがかなたそのおもしろいところなのだけど、なんとコールまで重ねて入れだした。コールというのはカラオケで言うところの合いの手のことで、しかも「やっかいオタク」（？）の暑苦しいコールを自分で一人何役も重ねていた。少しパン（左右）を振ったり重ねて録音したり加工したりして何人もいるみたいな効果をつけて。せっかくのかわいいアイドル曲が台無し（？）になっていくことに悲鳴を上げるリスナーのコメントが笑った。

ふざけて「ざわわ」と歌った録音を、メンバーシップ限定（月額有料サービス）で公開してくれ（！）という声を振り切って容赦なく捨ててたのにも笑った。

今回の企画を見て、これ曲だけじゃなくてボイスドラマの制作なんかでも応用できるんじゃないかと思った。オフコラボで何人か呼んで、あらかじめ用意した台本を読んで演技してもらい、アドリブを入れたり効果音を選んだりして生で作り上げていく。白上フブキと宝鐘マリンがアプリのラジオでやっているセリフブキという白上フブキに読者投稿のセリフを読ませるコーナーみたいに、リスナーのコメントを拾ってセリフを追加していったらさらにおもしろくなりそう。

かわいくてクリエイティブかつ生配信の可能性を感じさせる素晴らしいパフォーマンスなので、声優の歌なんかが好きな人なんかに勧める。