マンガ
ファンタジー
追放された転生重騎士はゲーム知識で無双する コミカライズ版 11巻まで
原作: 猫子, 漫画: 武六甲理衣, キャラクター原案: じゃいあん (講談社 ヤンマガKCスペシャル)
傑作(30点)
2024年12月15日
伯爵家の跡取り息子だったエルマは、成人の儀式により自分のクラスが「重騎士」であることを知らされる。転生前の記憶によればこのクラスは最強だったはずだが、この世界ではまだそれが広まっておらず、できそこないとして親から勘当されてしまう。冒険者となった彼はゲームの知識で最強を目指す。小説投稿サイトの作品が原作のコミカライズ版。
以前職場の同僚の勧めで同じ原作者のコミカライズ作品「最強呪族転生」を読んでそれなりにおもしろかったものの、ハマるほどではなくてたまたま作品やコミカライズが自分に合わなかっただけなんじゃないかと思い、ちょうどアニメ化されるというのでこの作品のコミカライズ版を読んでみた。とてもおもしろかった。
よくある異世界転生ファンタジーと違う最大のポイントは、能力を次々と身に着けていく他作品と違い、この作品ではいわゆるビルドシステムがベースになっていることだと思う。キャラクタービルドつまりスキル構成に制限があるため、むやみやたらといろんな能力を身に着けていくことができない。
そんな制限の中で、スキル組み合わせの妙により最強のビルドを組むことができたのが「重騎士」で、とがったスキルを組み合わせることにより守りのジョブであるはずが最強の攻撃力も得られてしまうということを、前世でゲームをやりこんでいた主人公だけが知っていた。
最初、重騎士の彼は周囲からとことんバカにされる。親から勘当つまり縁を切られて追放されただけでなく、冒険者となってからも重騎士はただ守備力があるだけで攻撃力に乏しいクラスとして役立たずだと思われていて、普通に成長していってもなかなか攻撃力が上がらない。しかし彼は、一見大したことのないスキルや能力値を組み合わせることで強くなっていく。
彼はパーティから追い出された道化師の女の子ルーチェを仲間にする。道化師というのはまあピエロなわけだけど、この世界では運の高い特殊なクラスになってる。前のパーティで言われるままにスキルを振っていた彼女は器用貧乏になって役立たずとされ、彼女の運の良さのおかげで敵からのドロップアイテムがよくなっていたにも関わらずみんなからはそれと気づかれず疎まれていた。
この作品が一番人を選びそうなところは、ヒロインがこの道化師ルーチェであるところだと思う。正統派ヒロインじゃない。エルマが自分を熱心に勧誘してきたのは自分の魅力のおかげだと勘違いしていたようにちょっとお調子者で、でも自分の能力には自信がなくて慌て者で心配性な性格をしており、エルマのことを最初は疑いの目で見ていた。
エルマはそんな彼女のクラス「道化師」についても知識を持っていた。彼女の信頼を得た彼は、取るべきスキルを指南して彼女も強くしていく。また、彼女のスキル「豪運」により高価なアイテムを次々と手に入れ、戦力を強化していく。いままで冴えない冒険者生活を送っていた彼女が、エルマと一緒に行動するようになって見違えるようになる。彼女の喜びつつも謙虚な様子がかわいかった。
ほかに一緒のパーティで行動する女性としてヒーラーのメアベルさんがいるんだけど、この世界でヒーラーはなめられがちなのでしたたかな性格をしているのがウケる。この作品に出てくる女性キャラってみんなヒトクセある。エルマの代わりに家を継ぐことになった分家の女も強クラスの剣聖で性格歪んでいるし、鍛冶屋のとこでからんでくる魔剣士の女もわがままで自分勝手だった。変な女が好きな自分は割と楽しめた。
戦闘メインでしかも大体ヒリついたギリギリの戦いなのは好みが分かれるところだと思う。自分はちょっと息苦しく感じたけれど、毎回戦いが熱くておもしろかった。恋愛要素や生産スキルや拠点構築なんかはないけれど、敵が毎回いいアイテムをドロップするのはワクワクした。たぶんこの作品は、王道的なハクスラ好きにはたまらないと思う。
世界設定がなにげに独特で、安易な異世界転生ファンタジーではないところもいいと思う。ダンジョンは不定期に生成され、そこのボスである「夢の主」を倒すと消失するとか、ボスは普段は一番奥にいるけれどたまにうろつきまわっていて遭遇することもあるとか、ボスは条件によりパワーアップしてしまうだとかいろいろある。ちょっとクセはあるけれど、未知のものが明かされていくのは楽しい。
絵はややクセがあるけれど見やすいと思う。ヒロインのルーチェの表情が割と豊かで、変顔もするほどなのは好みが分かれそうだけど自分は割と楽しめた。エルマは初期の絵は冷たそうな感じがしたけれど、見ているうちに親しみが持てるようになった。
ちょっと好みが分かれそうな作品ではあるけれど、ゲーム好きならきっと楽しめると思うので読んでみるといいと思う。
以前職場の同僚の勧めで同じ原作者のコミカライズ作品「最強呪族転生」を読んでそれなりにおもしろかったものの、ハマるほどではなくてたまたま作品やコミカライズが自分に合わなかっただけなんじゃないかと思い、ちょうどアニメ化されるというのでこの作品のコミカライズ版を読んでみた。とてもおもしろかった。
よくある異世界転生ファンタジーと違う最大のポイントは、能力を次々と身に着けていく他作品と違い、この作品ではいわゆるビルドシステムがベースになっていることだと思う。キャラクタービルドつまりスキル構成に制限があるため、むやみやたらといろんな能力を身に着けていくことができない。
そんな制限の中で、スキル組み合わせの妙により最強のビルドを組むことができたのが「重騎士」で、とがったスキルを組み合わせることにより守りのジョブであるはずが最強の攻撃力も得られてしまうということを、前世でゲームをやりこんでいた主人公だけが知っていた。
最初、重騎士の彼は周囲からとことんバカにされる。親から勘当つまり縁を切られて追放されただけでなく、冒険者となってからも重騎士はただ守備力があるだけで攻撃力に乏しいクラスとして役立たずだと思われていて、普通に成長していってもなかなか攻撃力が上がらない。しかし彼は、一見大したことのないスキルや能力値を組み合わせることで強くなっていく。
彼はパーティから追い出された道化師の女の子ルーチェを仲間にする。道化師というのはまあピエロなわけだけど、この世界では運の高い特殊なクラスになってる。前のパーティで言われるままにスキルを振っていた彼女は器用貧乏になって役立たずとされ、彼女の運の良さのおかげで敵からのドロップアイテムがよくなっていたにも関わらずみんなからはそれと気づかれず疎まれていた。
この作品が一番人を選びそうなところは、ヒロインがこの道化師ルーチェであるところだと思う。正統派ヒロインじゃない。エルマが自分を熱心に勧誘してきたのは自分の魅力のおかげだと勘違いしていたようにちょっとお調子者で、でも自分の能力には自信がなくて慌て者で心配性な性格をしており、エルマのことを最初は疑いの目で見ていた。
エルマはそんな彼女のクラス「道化師」についても知識を持っていた。彼女の信頼を得た彼は、取るべきスキルを指南して彼女も強くしていく。また、彼女のスキル「豪運」により高価なアイテムを次々と手に入れ、戦力を強化していく。いままで冴えない冒険者生活を送っていた彼女が、エルマと一緒に行動するようになって見違えるようになる。彼女の喜びつつも謙虚な様子がかわいかった。
ほかに一緒のパーティで行動する女性としてヒーラーのメアベルさんがいるんだけど、この世界でヒーラーはなめられがちなのでしたたかな性格をしているのがウケる。この作品に出てくる女性キャラってみんなヒトクセある。エルマの代わりに家を継ぐことになった分家の女も強クラスの剣聖で性格歪んでいるし、鍛冶屋のとこでからんでくる魔剣士の女もわがままで自分勝手だった。変な女が好きな自分は割と楽しめた。
戦闘メインでしかも大体ヒリついたギリギリの戦いなのは好みが分かれるところだと思う。自分はちょっと息苦しく感じたけれど、毎回戦いが熱くておもしろかった。恋愛要素や生産スキルや拠点構築なんかはないけれど、敵が毎回いいアイテムをドロップするのはワクワクした。たぶんこの作品は、王道的なハクスラ好きにはたまらないと思う。
世界設定がなにげに独特で、安易な異世界転生ファンタジーではないところもいいと思う。ダンジョンは不定期に生成され、そこのボスである「夢の主」を倒すと消失するとか、ボスは普段は一番奥にいるけれどたまにうろつきまわっていて遭遇することもあるとか、ボスは条件によりパワーアップしてしまうだとかいろいろある。ちょっとクセはあるけれど、未知のものが明かされていくのは楽しい。
絵はややクセがあるけれど見やすいと思う。ヒロインのルーチェの表情が割と豊かで、変顔もするほどなのは好みが分かれそうだけど自分は割と楽しめた。エルマは初期の絵は冷たそうな感じがしたけれど、見ているうちに親しみが持てるようになった。
ちょっと好みが分かれそうな作品ではあるけれど、ゲーム好きならきっと楽しめると思うので読んでみるといいと思う。