| サンゲリアルチオ・フルチまあまあ(10点)2005年6月14日
 芋愚
  イタリアホラーの名匠ルチオ・フルチのおくるゾンビ映画。ゾンビ映画界では、名作という位置づけがされている。
 
 何気に、イタリアという国はホラーの名作が多い。
 本作のルチオ・フルチはモチロンのこと、
 サスペリアやフェノミナもイタリア人監督のダリオ・アルジェントの作品だ。
 ついでに言うと、ドイツも凄い。
 お国柄が強い国ほど、激しいホラー作品が多いような気がする。
 イタリアっていうと、陽気でフェロモンむんむんな国柄という感じだし、
 ドイツというと規律正しくモラルに溢れた印象を受ける。
 そういうところだからこそ、アウトサイダーの怨念が凄まじいのだろう。
 なんとなく、日本における異常犯罪が、関西に多いようなのも気になる。
 陽気でギャグセンス溢れる関西人っていうステロタイプが、
 きっと一部の人間に強い怨念を育ててしまう結果になっているのでは・・・、
 と、憶測してしまったりもする。
 ・・・まぁ、統計とかを元にしていないし、
 単なる印象なので無責任な言葉ではあるが・・・。
 
 この映画は、特にストーリーが優れているというわけではない。
 単にブームにのったような感じの商業作品だ。
 時代背景的に、それを感じさせるシーンがある。
 なんの脈絡も無く、ゾンビVS巨大人食い鮫の戦いがあった。
 まぁ、ジョーズが大ヒットしていた背景っていうオチなのだが、、
 映画史に残る珍シーンとして、マニア達の間で語られている。
 
 ルチオ・フルチという監督は、まさに商業主義の申し子。
 作中では、どこかで見たことのあるような、いわば焼き直しっぽい
 シーンばかりなのであるが、徹底的に残酷でグロテスクに描く。
 若い女性の眼球に木片が突き刺さるシーンを克明に描写したり、残酷描写の追及が凄まじい。
 そもそもゾンビのリアルさが尋常じゃない。
 ウジが湧いて、赤茶けた腐乱死体は、ヤバイの一言。
 私は運悪く、サバの味噌煮を喰いながら鑑賞してたが、吐きそうになった。
 とにかく、偏執的なまでにばっちいゾンビ描写は、スバラシイ。
 
 職人的仕事を感じるゾンビ映画として、本作をおすすめする。
 (最終更新日: 2006年9月24日 by 芋愚) |