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  • 私に天使が舞い降りた!

    椋木ななつ (一迅社 百合姫コミックス)

    まあまあ(10点)
    2025年9月7日
    ひっちぃ

    人とコミュニケーションを取るのが苦手なひきこもり女子大生の星野みやこだったが、小学五年生の妹ひなたがある日友達の白咲花を家に連れてくると、この子が自分好みのかわいい女児であることに狂喜乱舞し、手作りのお菓子で釣って自作のコスプレ衣装を着せさせて写真を撮ろうとする。百合もの(女性同士の同性愛)マンガ。

    2019年にアニメ化されたのを見て、女性のひきこもりオタクという斬新なキャラが出てくる日常もの作品としてそこそこおもしろかったのでこの原作マンガを読んでみた。まあまあおもしろかった。

    女児を愛でるオタクと言えばまあ男性なんだけど、それだと普通すぎる。この作品ではあえてそれを女性にすることによって、たとえ女でも気持ち悪いよねみたいなおかしさと、男だったらヤバさが勝ってしまうところを普通にギャグとして笑えるのがよかった。

    当然花ちゃんは嫌がるし引くんだけど、彼女は食いしん坊なのでみやこの作るお菓子に釣られてついつい引き受けてしまう。彼女の嫌がりかたとバッサリみやこを拒絶するところがウケた。でもなんだかんだでみやこのことを好きになっていく。

    掲載誌が一迅社のコミック百合姫なだけあってこの作品にはいくつもの百合(女性同士の同性愛)が描かれる。みやこの妹ひなたは割とワイルドな性格なんだけどみやこにべったりのお姉ちゃんっ子で、その域はもはや崇拝に近いのだった。

    みやこは他にも高校大学で一緒だったらしい松本香子にも好かれており、こいつはほんとストーカーすぎてみやこの行動を監視していたり勝手に写真をとったりグッズを作ったりして家に飾っている。

    星野家の隣に引っ越してくるハーフの女の子乃愛(ノア)ちゃんは自分大好きっこなんだけど、途中からひなたに好かれたいと意識するようになる。

    正直このあたりの百合は安易すぎていまいちだった。もう様式美みたいなものだと思ってスルーして読んだ。みやこと花ちゃんだけでよかったなあ。

    それでも自分が読み続けたのは、みやこのぼっちネタがどれも徹底していたのと、この作品は基本的に四コマなんだけどこの手の作品にしてはオチが大体キッチリしていたのが大きかったと思う。みやこは花ちゃんやノアにあきれられるだけでなく、母親からもガチで叱られたり愛想をつかされたりしていて笑った。

    百合設定はユルいけどキャラ自体は割と愛着が持てた。みやこのことを妹のひなたは「みゃー姉」、花ちゃんは「お姉さん」、ノアは「ミャーさん」とそれぞれの距離感で呼ぶところなんかキャラが立っていてよかった。

    ノアや花ちゃんの母親も出てきてママ友同士のやりとりなんかもあるんだけど、彼女たちの母親以外の顔が出てくるところがあってとてもよかった。みやこが花ちゃんのお母さんと街で偶然出会って花ちゃんみたいでかわいいと思ったところへ花ちゃん本人が出くわしてドン引きするとことかウケた。ノアの母親もノアと似ているようでちょっと違っているとか。

    みやこと同年代の松本はヤバいストーカーキャラでギャグも安易でいまいちだったけど、犬を飼い始めてその犬にみやこと名づけることからくる混乱はおもしろかった。あと小さい妹がなにげにかわいかった。

    ただ、途中から出てくるマイペースな女の子こよりと、そんなこよりのことが好きで母性までにじませるかのんの二人はどうしても好きになれなかった。最初この二人はこの二人だけで独立気味のエピソードが続いたんだけど、どうしてこの二人を出したんだろうとさえ思った。徐々にひなたたちの方にも絡んでくるんだけど、終始違和感がぬぐえなかった。ひなたたちトリオにはない要素も出したかったからだろうか。

    ファッションぼっちじゃない女の子のぼっちものとして、そしてそんな彼女に対してときどき冷ややかな目を向けつつ敬愛もするかわいい女児たちを愛でることができる作品として、安易な百合要素があまり気にならないようであれば読んでみるとよいと思う。

    [参考]
    https://www.ichijinsha.co.jp/
    yurihime/title/
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